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ジギタリスの花
画像の解説：ジギタリスの絵です
心不全や心房細動に治療効果のある薬草です。２００年以上前にヨーロッパではこれを薬として自己流で煎じて飲んでましたが適量が分からずこの薬の中毒で多くの人が命を落としたそうです。
ジギタリスは危険な薬で、心臓専門医が慎重に使う劇薬です。現代のジギタリス製剤は化学合成です。
ジギタリス効果
画像の解説：心電図の変化所見
ジギタリス製剤（薬品名ジゴキシン、ラニラピッド等）を内服中の患者さんの心電図には特徴的な変化が現れることがあります。
それは「ジギタリス効果」と呼ばれます。その変化が「ダリのひげ」のように見えます。しかしこれは「ジギタリス中毒」のサインではありません。
下の画像は、ジゴキシンともう一つの心臓病薬（プロプラノロール）を対比して面白いユーモアです。
ジギタリス中毒の世界？
画像の解説：両画像ともゴッホの描いた絵です。
ジギタリスは劇薬です。量を間違えると非常に危険です。適正な治療域より過量ならジギタリス中毒となります。その時に見える世界はこの様な色（黄色が強調される）になるそうです。
私の患者さんでこうなった人はいませんので確認は出来ません。昔は珍しくなかったようですが、現代は薬の血中濃度が正確に測定できるので、中毒レベルになる人はまずいません。
ゴッホの主治医
画像の解説：Van Gogh’s Portrait of Dr Gachet
英文解説の出典：Dr Gachet was Van Gogh’s physician, and is pictured here with Digitalis. There is a theory that Van Gogh was suffering chronic Digitalis poisoning at the time of his death, but this hasn’t been sufficiently proved. Source.
ゴッホが描いた彼の主治医ガシェ医師の肖像です。テーブルにはジギタリスの花があります。ゴッホはこの絵をガシェ医師に贈ったそうですが、彼はこの絵を気に入らなかったのかニワトリ小屋の扉に使っていたそうです。
当時のゴッホはジギタリス中毒であったとの説があります。ゴッホは持病の治療のためジギタリスを飲んでいたのでしょうか。ゴッホの絵はジギタリス中毒者の見た世界だとする説ですが、確証はないそうです。
下はゴッホ自画像です。
ジギタリスの先覚者
画像の解説：英国人医師 William Withering
ジギタリスの葉や根はヨーロッパでは古来より民間療法で薬として使われていました。英国の医師 William Withering 博士は多数の水腫（むくみ）症例で、この薬草の利尿効果を確認しました。
研究成果を一冊の本にまとめ1785年に出版しました。しかし長い間その研究成果は医学会から無視されました。100年以上もたってその研究はようやく再評価されました。
ジギタリスの治療意義を医学的に評価した先覚者といえます。下の本は彼のその著書です。
ジギタリスの謎
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