要約:今回は過敏性腸症候群のお話です。
過敏性腸症候群ってどんな病気?
1.朝、通学や通勤の前に腹痛が起こったり、何度もトイレに行きたくなる。
2.仕事中や会議、試験の前に腹痛が起こる。突然我慢できない便意を催し、軟便ないし下痢が起こる。
3.1日の中で排便の回数が3回以上、多いときでは7、8回以上もある。
4.便が硬い、コロコロしている。週に排便は一回ないし二回などのひどい便秘。
5.緊張したりストレスでガスが増える、匂いがきつくなる。
6.外出先や旅行では必ずお腹の調子が悪くなり、そのせいで出かけられない。
7.上記の症状が良くなったり悪くなったりしながら一ヶ月以上続いている。
ここに書いたことは、誰しも今までの人生で一つや二つ当てはまることがあったかもしれません。過敏性腸症候群のポイントは、これが1日や短期間のことではなく、数ヶ月・何年と、長期にわたり症状が当てはまっているということです。
診断するには?
便秘型と下痢型、その繰り返しの混合・交代型の3つに分類でき、男性は下痢型、女性では便秘型が多い傾向にあります。上記症状を認めている場合、ご自身で診断するための基準がありますので、以下のことに当てはまるか確認してください。
1.排便により軽快する腹痛(ないし腹部不快感)がある、または排便回数や硬さに変化を伴う腹痛(ないし腹部不快感)がある
2.排便回数の異常、便の性状の異常、排出異常、粘液の排出、腹部膨満感がある、このうち二つ以上に当てはまる
もし、これらの特徴的な自覚症状を認めたら、一度医療機関を受診しなければいけません。
過敏性腸症候群という病気の辛さ
ここまでの幾つかの症状をご覧いただいて皆さんお分かりになったと思いますが、過敏性腸症候群という病気はけっして命に関わる疾患ではありませんが、日常生活を送る上でとても辛い病気の一つです。排便症状のために、社会生活を滞りなく送ることができない、新しいことや、やりたいことにチャレンジできない、他の人といる時間を楽しめない、など常に不安と緊張を感じており日常的にストレスを抱え不便と感じてる方がほとんどです。大事なことは、長いあいだ付き合っている症状だからと諦めずに、医療機関で治療を受けることです。そして症状が改善したならば、排便のために不安を抱くことなく日常生活が送れていることに驚くでしょう。
次回は過敏性腸症候群のの原因やメカニズムと治療法についてお伝えします。