便秘改善には、規則正しく偏りの少ない食事療法が大切ですが、それと同じくらい大切なことが適度な運動を持続することです。そのいくつかをご紹介します。
筋肉が衰えておこる、弛緩性便秘
便秘の中でも多いとされるのは、筋肉が衰えておこる弛緩性便秘です。特に女性は男性と比べ元々筋肉量が少ないうえに、社会人以降は積極的に運動習慣を作ることをしなければ筋力は低下していく一方です。もちろん男性でも加齢と共にどんどん筋力の減少が起こります。
良好な排便を促すためにはお腹の筋肉(腹筋)の力が不可欠です。腸管蠕動運動を正常に働かせるためにも欠かせません。正常な排便のためには元気なお腹の筋力が必要と言うわけです。腹筋を鍛える場合、強くすばやい動きの腹筋トレーニングはお腹の表面の筋肉のトレーニングになってしまいます。深い部分の腹筋を鍛えるには、仰向けに寝て上半身だけを床から少し持ち上げた角度で数十秒から数分止める動きが効果的です。このとき痛みをあまり感じない程度の角度と時間に押さえておくことがコツです。
ストレッチ、ウォーキング
毎日簡単にできる運動のひとつとして、ストレッチとウォーキングがあります。体をほぐしたり歩くことで自律神経を整えリラックスすることで副交感神経優位となり排便促進の効果があります。どちらも強くない負荷と手軽さが特徴で老若男女問わず誰にでもでき持続しやすい運動です。
便秘に効果的なストレッチとは、朝起きて布団のなかでする10~15分程度のストレッチやお腹の筋肉のエクササイズが効果的です。朝15~20分だけでもウォーキングする、朝が難しければ昼休みや仕事の帰り道など使って歩く習慣をつけるとよいでしょう。
激しくハードな運動は交感神経優位となってしまうため逆に効果がありません。目的はあくまでも便秘予防と改善なので気持ちいいと感じる程度の穏やかな運動に留めることがポイントです。
サイクリング
サイクリングは前傾姿勢になることで背筋や腹筋も同時に鍛えられるうえ、適度な刺激で腸管蠕動を促進し排便を促します。このとき漫然と乗るのではなく、お腹を意識しながらこぐとより良いでしょう。
ラジオ体操
ラジオ体操を朝起きて行うのは体を目覚めさせ一日を快適に過ごすためにはとても理にかなった運動です。ラジオ体操は子供の頃に一度はやっているので知らない人はいないでしょう。これは全身運動であり、お腹回りの動きがダイナミックなため、背筋を伸ばしてお腹をまっすぐ倒す姿勢や、上半身をぐるぐるまわす動きなど、快便促進にはとても効果的です。
まとめ
このような毎日の簡単な少しの運動で、排便促進と便秘予防に繋がるため、是非試してみてください。肝心なのは継続的に持続できることで、楽であることと、行う時間をあまり長くしないことです。
”彩子先生監修”