「健康寿命」、日本一は静岡県 秘訣は居場所作り
朝日新聞 2015年1月1日(木) 配信の全文
静岡県は、介護を必要とせずに自立した生活を送れる期間の平均を示す「健康寿命」が日本一長い。2010年の厚生労働省の調査から県が独自算出すると、全国1位の73・53歳だったためだ。
ただ、平均寿命と健康寿命の間にはまだ7~11年の差がある。元気で長生きし、医療費を抑えるためにも改善の余地がある。そこで県は自治体間で健康づくりを競わせようと、65歳から何年間、健康に過ごせるかを示す「お達者度」を35市町別に公表した。男性の場合、最も長い森町と最も短い小山町では2年以上の差があった。
「健康寿命者」は、適切な運動習慣と食生活、社会参加
どうすれば健康で長生きできるのか。県は1999年から高齢者を対象に追跡調査を続けている。1万363人のデータを分析したところ、適切な運動習慣と食生活を送っている人は死亡率が32%低く、さらに地域活動やボランティアなどの社会参加をしていれば死亡率が51%低かった。
社会参加の場は子どもからお年寄りまで一緒のデイケア
誰でも気軽に社会参加できる場、それが「居場所」だ。年齢や障害で区分される従来の福祉施設と違い、子どもからお年寄りまで一緒に過ごすというアイデアは1993年に開所したデイケアハウス「このゆびとーまれ」(富山市)から知られるようになり、全国に広まっている。
県は11年から高齢者だけでなく障害者や子どもも一体として福祉サービスを提供する「ふじのくに型福祉サービス」を始めた。その拠点の一つとして研修などを通じて「居場所」を広めようとしている。一部は立ち上げに県の補助金を活用し、14年8月現在で県内で約60カ所に増えた。
ただし、小桜義明・静岡大名誉教授は「民間の自主的な運営に任せないとサービスが画一的になりがち」と指摘する。その上で「社会的に孤立しやすい男性高齢者、低所得や借家住まいの高齢者をどう巻き込むかなど地域の特性を生かしつつ、先進的な取り組みをしてほしい」と求めている。
当院の見解
当院に通院中の患者さんで、介護を必要とせずに自立した生活を送れる「健康寿命者」は、この報告と全く同じく、1)適切な運動習慣、2)適切な食生活、3)社会参加(生活の中で生甲斐を持って活動)を、皆さん実践されています。