この写真は「あとみっく」さんから拝借した岩桜で、鹿沼の自生種ではありません。岩桜の自生を見たことはありませんが、鹿沼の奥山でも多分こんなイメージなのでしょうか。
下の写真は、当院の患者さんで山野草に詳しい方が毎年２月か３月の季節になりますと鉢植えに花を咲かせて、しばらく当院の検査室に預けていかれる「岩桜」です。この花は鹿沼の山奥に自生していたのを、患者さんが自宅で大切に育て毎年花を咲かせているそうです。この花の育成は難しいそうです。最近は乱獲のせいか、自然に咲いている花がめっきり少なくなったそうです。
鹿沼の岩桜は、上の写真とかなり違っています。淡いピンクの優雅でほのかな雰囲気を漂わせます。とりわけ可憐な姿です。
以下の解説文は「花図鑑」さんからお借りしました。
岩桜（イワザクラ）はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。
本州の岐阜県と紀伊半島、それに四国、九州に分布し、石灰岩地帯の岩場や湿地に生える。
環境省のレッドリスト（２００７）では、「現時点では絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては『絶滅危惧』に移行する可能性のある種」である準絶滅危惧（ＮＴ）に登録されている。
草丈は５センチから１０センチくらいである。
根際から生える葉には長さ３センチから１０センチくらいの柄があり、直径４センチから１０センチくらいの円形のものが数枚放射状に広がってつく。
葉の縁は不規則に浅く裂け、ぎざぎざ（鋸歯）がある。
葉の裏面の脈上と縁には軟らかい毛が生える。
開花時期は４月から６月である。
茎先に花径３センチくらいの花を１輪から５輪つける。
花の色は紅紫色である。
花冠は５つに分かれ、真ん中が黄色くなっている。
和名の由来は、渓谷の水しぶきがかかるような岩場に咲く桜草というところからきている。
学名：Primula tosaensis
属名の Primula はラテン語の「primos（最初）」の縮小形である。同属の１種が他に先駆けて早春に花咲くことで名づけられた。
種小名の tosaensis は「土佐（高知県）の」という意味である。
