

血圧の測定と評価
A. どのように何回くらい測定しますか?
血圧は様々な状況で大きく変化しますから、たった一回測った値だけで血圧を評価したり治療するかどうか決めるわけにはいきません。
2週間以上の期間、規則正しく毎日連続して血圧を測定し、その結果を持って医師に相談することを勧めます。
B. どんな血圧計を使えばいいですか?
家庭血圧計は指、手首、肘で測る3種類の血圧計が市販されてます。できれば肘で測る機械を選んで下さい。肘での値が血圧測定の標準として世界共通で使われています。
日本製であれば精度の問題はあまりないと思います。値段は高価である必要はありません。データ記憶用のメモリーは必ずしも必要ありません。
最近、腕時計で圧を加えないで血圧を測定するものがありますが、私はこのタイプの精度にはまだ十分な信頼性があるとは見ていません。あくまで圧を加えて測定する血圧計を求めて下さい。
C. 血圧測定で重要な点
以下はどれも大切な点です。これを外すと折角の測定データの意味がなくなることがあります。
・1)説明書を読み、正しい装着と正しい姿勢
血圧計に同封の測定方法をよく読んで下さい。表示の通り装着して正しい順序で計測して下さい。
椅子に座り机に向かいます。椅子を丁度良い高さに調節して下さい。装着した腕の肘を机の上に置いて測ります。写真の姿勢と、巻き方、腕と肘の位置関係を参考にしてください。
これを守らないと、せっかく測ってもその値は信頼性が低くなります。いい加減な方法で測ってはいけません。

・2)朝・夜の2回測る
出来るだけ「同じ条件で毎日連続」して測定します。出来れば一日2回です。お勧めする時間帯は、
■朝は起きて排尿し、食事前で、本格的な活動に入る前の時間帯
■夜はフトンに入る直前の、穏やかな時間帯
このタイミングなら身体は落ち着いた状況にあり、血圧測定に適した条件だと考えます。もし2回測定が難しいなら朝か夜どちらか一回だけでも結構です。朝の方が良いでしょう。
・3)無心で測る
測定する時、目を閉じて何も考えないでください。
何 かを考えながら、テレビを見ながら、新聞や本を読みながら、誰かと話しながら、血圧計をじっと見つめ真剣に数字を見ながら、「高いかな?、高く出たら困る な」などと考えたりして測定するのは誤りです。そんな測定では血圧は正しく測れません。落ち着いて無心で測って下さい。
以上の方法を守って測定すれば、血圧値は評価に耐えると思います。
D. データの記録:グラフにする
測定した血圧の値と脈拍数をノートに記録します。記録した値を一番下段の枠に記入して、血圧値は写真のように折れ線グラフに書き直します。
血圧を折れ線グラフにすることが重要です。血圧は上の血圧(収縮期血圧)と下の血圧(拡張期血圧)の二つがありますが、それぞれを別の折れ線グラフで描きます。朝と夜の測定点は連続して結んでください。朝と夜の測定点を別々の線にしないことです。
下の写真の記録法を参考にして下さい。
