心臓病患者さんの日常生活について、これからシリーズで考えてみましょう。
まず第一回は、その目標とする最終ゴールは何か、何を目指して日常生活を新たに組み立て直して行けば良いのかを考えます。
心臓の病気が起こる背景
日常生活の注意は何かと話題になれば必ず、減塩食、水分制限、規則正しい生活、過食を避ける、激しい運動を避ける、コレステロールを減らす、禁煙、禁酒などのお話しが並びます。
確かにどれも大切ですが、本当に大切なのはそのような個別的な問題ではなく、心臓の病気が起った根源的な生体の構造上の背景です。
その根源的な問題とは、一言で言えば「生体に備わる自動制御機構の管理可能バランスが崩れた体」です。
この根源的なバランスの崩れた体の修正が大切です。ほとんどの心臓病の患者さんは具体的な心臓の病気だけに注目していますが、この全体像の問題は見落しています。
自動制御機構の管理可能範囲を超えた異常
生物の体は高度に自動制御された精密機械ですが、その詳細な制御メカニズムはまだまだ解明されていません。そこを話せば医学ではなく未知の神の世界を語るようになってしまいます。
生命を制御する或る法則があるのは確かだと思います。しかしそれを「神の意志」とするか「自然が進化の過程で獲得し到達した超高度なレベル」とするかの意見の違いはあるでしょうが、まだまだ人類が理解するレベルははるかに超えブラックボックスの中です。
私が言う「体のアンバランス」で不健康な状態とは、その自動制御機構の管理可能な範囲を超えてしまった体の異常状態が病気発症の根源に存在するということです。
そこまで異常な状態になった個々の因子としては、強いストレス、肥満、喫煙、高血圧、高いコレステロール、高血糖や糖尿病、などがあるでしょう。
しかしこの多くの因子の集合によって、複雑な生体の自動制御機構の管理可能範囲を超えてしまったため、バランスが崩れた体で遂に一つの心臓の病気として表出されたと予想します。
老化を遅くするための課題
その第一番の重要な因子は「老化=じかんけいかの自然な劣化」です。老化は誰にも平等に起こりますが、問題は実年齢以上に進行した場合です。逆に老化が実年齢ほど進んでいなければ体は若いということです。
心臓の重要な病気を克服するには、食事を含むあらゆる日常生活を見直して、自分の体を異常な状態から生体の自動制御機構が管理制御可能な範囲内に持って行く事です。これを私は「バランスの良い体に改造する」と表現しています。
自動制御機構が管理可能な範囲に多くの因子が抑制されていれば、体は若い状態を維持するでしょう。
生体の自動制御機能の管理法則の詳細は不明ですが、心臓血管に悪い影響を与える個々の因子は分かっていますので、その因子を如何に抑制できるかが現実の医学的な課題となります。
取り組むべき、老化の側面は?
老化の側面
老化には4つの側面があると言われています。