心臓の役割
心臓は、血液が全身を循環するための血管系の中心的な臓器です。血液を送り出すためのポンプの働きを、24時間休みなく続けています。胸のほぼ中央にあり、大きさは握りこぶし大です。
心臓の動きは一分間で70回程度ですが、一日では10万回にもなります。大変丈夫な臓器で、もし病気にならなければ150年は働き続けられるそうです。
「心臓は癌にならない数少ない臓器」と言ってもいいでしょう。
心臓の病気の種類
心臓の病気はたくさんありますが、良くある病気を簡単にお話しします。
心臓の規則正しい動きが乱れるのが不整脈です。心臓を養う重要な血管(冠動脈と言います)が詰まって心臓に栄養が行かなくなるのが冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞)です。心臓の筋肉が傷むのが心筋障害、心臓の中にある心臓弁が傷むのが心臓弁膜症などです。
原因や理由が何であれ、心臓のパワーが落ちた時に心不全の症状が表れます。
■不整脈(期外収縮、心房細動など)
心臓は規則正しく動き続けています。安定してれば非常に正確なリズムで動いています。この正確なリズムに乱れが起こった病気を不整脈と言います。
不整脈は種類が非常に多く、病気の重さもピンからキリまであります。数が最も多くありふれているのは期外収縮という不整脈です。
■冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)
心臓が生きていくために必要な栄養は血液からもらいます。この血管を冠動脈と言います。その病気を冠動脈疾患と言います。水道管や下水道管が長い時間でゴミやヘドロで管の中が狭くなったり詰まったりした状態と似ています。
生命に関わる重大で危険な病気ですが、普通は中年以後になってから発病します。数も多く心臓病では最も注目されている病気です。
■心臓弁膜症
心臓の拍動で血液が全身に送り出されます。この送り出しのために、心臓の中には4つの弁が配置されてます。その心臓弁が故障した状態を心臓弁膜症といいます。最近では若い人には少なく、高齢者が中心の病気になっています。
■心不全
何かの心臓の病気があって心臓のパワーが大きく低下しその能力が不十分となりました。全身への血液供給が不足するために、全身臓器の代謝活動が低下させられます。全身臓器は十分な栄養がもらえず、排泄物(ゴミ)も十分に処理してもらえません。
心不全は、全身の栄養不足状態であり、同時に全身に過剰なゴミが貯まった状態です。直ちに生命が危険な状態です。高齢者に多く最近増加しています。
■種類をもっと多く詳しく・・
心臓病の種類:主な病気をやさしく紹介
心臓病の前兆や初期症状
(写真)初期症状は、胸に手を当て「あれっ、なんか変!?」程度です
心臓病には多くの症状がありますが最小限にまとめます。症状の続く時間を基準に分類、整理しました。
一見すると、どの症状も軽くてあまり問題ないように見えますが、甘く見ないで下さい。
病気が進行すると、ある日とんでもない症状に激変します。以下の特徴を覚えておくとよいでしょう。後からきっと役立ちます。
心臓が「ドキン」、「バクバク」、「ウッ」と一回だけつまずいた,一瞬の胸騒ぎ
一瞬、脈が飛んだ、脈が抜けた
数十秒間の軽い胸のドキドキ。おさまると何ともない
気が遠くなったが意識はあった。一瞬だけ
ドキドキして、しばらく続いた。なおって完全に元気
胸から背中が痛く、締めつけられた
胸に変な感じがした。何だかおかしいが、痛いとか苦しくはない
睡眠中、胸が押されて少し苦しく目が覚めた
胃の辺りに変な感じがして、胸、顎、歯へと移動した
喉(ノド)が詰まるような絞めつけられるような感じ。同時に奥歯がうずいた
急に意識を失って倒れた。しばらくで回復し元気になった
疲れが残る。疲労の回復が遅い
以前に平気だった仕事や作業が、負担になった
掃除、坂道、階段、運動、作業で疲れやすくなった。ドキドキ、ハァハァ、息が切れる。体力が落ちたと思う
足にむくみがでる。体重が急に増えた
■症状をもっと多く詳しく・・
Web 心臓病■01 症状のリスト
心臓病か?
思い当たったら・・
こんな症状があったら、神経質と思われるかも知れませんが、一度は病院を受診して心臓病を調べましょう。
調べた結果、心臓病でなければ、良かったと喜べばよろしいのです。心臓病であれば、早期発見できて病気は抑え込めますから、決して怖くありません。早く治療が始められて良かったと思ってください。
可能なら、心臓専門医に
心臓病の超早期症状なら、医師にとっても診断はかなり難易度が高くなります。
「ハッキリしませんから少し様子を見ましょう」と早期発見・早期治療するチャンスを逃さないために、可能なら心臓専門医に相談すると良いでしょう。心臓専門医団体のリンクを最後に貼りました。