要旨:当クリニックでの経験から「元気で長生きする秘訣」を簡潔にお話しします。
今日は私たちのクリニックでの経験から、表題のように「元気で長生きするコツ」を簡潔にお話ししてみたいと思います。幾つかありますので箇条書きで説明します。
1)健康でありたい意志
2)食生活に関心を持ち、満腹や過食を避け、腹は七~八分目に
3)肥満を克服し、スリムな体型を達成し維持する
4)適度な運動を、定期的に長期に継続する
5)血液、尿、心電図などの基本的検査データをすべて正常に維持する
6)心穏やかで規則正しい日常生活を過ごす
7)相性の良い主治医とともに長年月を歩む
この順番にお話しします。
1)健康でありたい意志
まずこの意志を強く持ってください。「出来ればそうありたい」と希望してもそうなれるとは限りません。しかし強い意志を持って取り組めば実現する可能性は飛躍的に高まると思います。実際に実現した方を当院ではたくさん見てきました。
2)食生活に関心を持ち、量は七~八分目とする
まず「健康は食にあり」です。古くから言われていることですが、これはまったくの真実だと思います。何を食べるか、食べるものを選択することもある意味大切ですが、まず最初に食の「量とバランス」に重点をおいて実現して下さい。
量は「七分~八分」でもう少し食べたいがここで止めると思う程度、バランスは一日の食事の内容を「炭水化物、タンパク質、脂肪を、6,2,2の比率」にして下さい。
アルコールは適量(日本酒なら一日一合)なら許容範囲です。アルコールの適量については右をお読みください。→◆091 「酒は百薬の長?」それには条件あり
3)スリムな体型を維持
痩せすぎは避けて下さい。しかし肥満は絶対にならないように。もし現在肥満体型ならスリムになって下さい。肥満とは政府発表ではBMI >25です。
自分の目標体重は、太っていなかった20歳ころの体重か、BMI<23になるよう時間をかけて努力して下さい。
4)適度な定期的運動を継続
散歩なら、ブラブラ歩きではなく、早歩き程度の速度(男性なら時速6Km)で30分以上を継続して下さい。50歳以上ならそれに筋肉トレーニングも加えて下さい。
毎日するのが理想的ですが、長期間継続することが大切ですから、生活リズムに合わせて休日のみの週一回以上なら結構です。
5)血液や尿などの基本検査データはすべて正常に維持
どこの医療機関でも可能な血液検査、尿検査、心電図、胸部レントゲン写真などが全項目で正常値になっているように維持して下さい。もしそうでなければそうなるように医師の指導に従って下さい。一年間の生活改善でそれの達成が無理なら、薬剤内服もすすんで受けて下さい。
自分は健康だと思っていても、現代の30歳以上の平均的日本人なら検査をすればなにがしかの異常値があるものです。その軽い異常値を軽視したり放置せずに、「完全な正常値」に戻してそれを生涯維持していくことです。「完全に正常」こそ大きな価値があるのです。
軽い異常値を「正常に近い状態」と思ったら間違いです。「軽い異常値」でも既に生体の持つ代償機転(異常な状態を正常に戻そうとする生体内の自動調節機構)を超えたレベルに到達しており、体内では明らかな病的状態が存在すると考えるべきです。
6)心穏やかで規則正しい日常生活
ストレスや不規則で乱れた生活は、体の内的状態を静かに悪化、進行させます。出来るだけ規則正しい平穏な日常生活を維持して下さい。
7)相性の良い主治医とともに歩む
以上の実現のためには必ず医師の手助けが必要になります。薬の内服治療も必要でしょう。その道程は人生観の似通った主治医との二人三脚であると考えて下さい。
人間ドックなどを定期的に受けているからそれで十分と考えている方がいます。私たちはその意義を否定しませんが、それだけでは不十分であると思っています。
その方の日常生活や家族構成の細部まで深く熟知した主治医こそあなたを最も適切に健康管理し助言できるアドバイザー役であると考えます。そんな主治医とともに長年月を歩み続けて下さい。
まとめ
以上が私たちの経験から得られた生涯健康で長生きするための基本方針です。何か珍しい秘訣があるわけではありません。しかし実現できるか否かの最大のポイントは本人の強い「意志」であると私たちは考えています。
具体的な詳細は「けやき坂スタイル」でお読みください。