患者さんは言葉には出しませんが、医療機関に熱く期待している事があります。当院はその期待にどのように対応してきたかをお話しします。
このテーマで1回目が、「◆124 「安全と確実」は、医療への真剣な期待:当院の場合」 です。
2回目は、◆129 「早期発見・早期治療」は、医療への大きな期待です。
3回目は、◆133 「個人情報の守秘」は、医療への当然の期待です。
医療機関の個人情報は、洩れると個人に大きな影響ある情報
医療機関での患者さんのプライバシー保護は大切な原則です。医療機関はその性質上、患者さんの個人情報の中でも特に患者さんが守ってもらいたいと思う多くの情報を持っています。患者さんの氏名、生年月日、住所、電話番号などは当然ですが、病気情報、病歴、家族歴、多くの検査データ、治療薬、診察内容などです。
患者さんは、医療機関が万全の対応でこれらの情報が外部に漏出するのを防いでいると期待していると思います。万が一でも漏れてしまっては困ります。医療機関はこの情報をシッカリと守秘するのが当然だと考えていることでしょう。
当院も患者さんのこれらの重要情報を大切に取り扱っています。簡単に本人以外に知られないよう万全を期して対応しています。
1)全職員が、患者情報に高い守秘義務意識を持つ
対応のまず第一番は、職員全員がこの患者情報を厳重に守る強い意識を共有することです。職員がこれを守秘する重要性を認識していなければ、扱っている患者情報は簡単に外部に漏れてしまうでしょう。
当院では採用され職場に配属される際の全員に、院長自らが一対一でこの意識の重要性を徹底して教育します。日常業務の中でも機会あるごとに繰り返しその重要性を話し合い、意識を高めるように努力しています。
当院では職員から安易にその情報が漏れることはまずないと考えています。
2)外部からの問い合わせなどへの厳重な対応
外部から悪意をもってまたは無意識に患者さんの個人情報を得ようと問い合わせがある場合です。実際には、その問い合わせはほとんどが悪意ではなく無意識のことが多いようです。
一つの例ですが、勤務先の会社の関係者から電話で患者さんの病状等についての問い合わせがある場合です。当院では患者さん本人の同意が確認されなければ、このような問い合わせに応じることはありません。患者さんの同意がなければ、または同意の確認が取れなければ、このような問い合わせに応じないよう全職員が十分認識して行動しています。
極端かも知れませんが、個人情報の問い合わせや照会が家族からであったとしても、緊急事態でなければ、家族である確認が取れなければお答えが困難な場合もあります。
3)ネット犯罪で、個人情報漏出の防御体制
現代はネットを通じて外部から患者情報が保管されたファイルにアクセスして、そのデータを盗み取ってしまうことが問題になっています。
当院では最新のウイルス対策ソフトを導入するだけではなく、患者情報ファイルはネットから切り離されています。ネット経由でそのファイルに直接アクセスすることは構造上できない仕組みになっています。ネット経由の犯罪的な行為に対して万全と考えています。
4)紙に記録の個人情報はすべてシュレッダー処理
紙に記録された患者さんの情報を廃棄する場合ですが、原則的にシュレッダー処理しております。
今後もこの問題について、時代や社会状況に合わせながら更に改善を続けていきたいと考えています。