心臓に最も重大な負担は「高血圧」
心臓にとって最も重大な負担は高血圧です。馬の例え話で言えば最も重い荷物とは心臓なら高血圧なのです。
従って病気で弱った心臓を大事にするなら大切なことは血圧を十分下げてその状態を維持することです。
当クリニックでは心臓病の有る無しにかかわらず高血圧のコントロールでは正常血圧を管理目標にしていますが、弱った心臓では負担を軽くするためにそれより更に低い血圧でも目標とします。
低血圧症状などの問題がなければ弱った心臓にとって血圧は低いほど負担が少なくてよいのです。収縮期血圧100mmHgくらいにコントロールしても脳や全身に十分血液は供給できます。この程度の血圧なら心臓にとって負担はかなり軽減されているでしょう。
年老いて弱った馬であっても軽い荷物なら楽に運んでいくことが出来るのです。
心臓病の治療では降圧が大切
血圧が130mmHgであれば、一見この程度の血圧ならそれほど問題ないように見えます。しかし弱った心臓ならこの血圧を保つために100mmHgの時より心臓は拡大する必要があるので、100mmHgと較べ実際の心臓への負担は単純な1.3倍ではなくそれ以上の大きな負担に相当します。
血圧を130mmHgにコントロールして弱った心臓に良い血圧管理と思っても、弱った心臓から見れば100mmHgの時と較べて負担はまだまだ大きいでしょう。
狭心症や心筋梗塞、心臓弁膜症、拡張型心筋症など、どの心臓病であっても高血圧が悪い因子であることは明らかです。
一見して高血圧とは無関係な不整脈(心房細動、期外収縮など)でも高血圧による心臓への負荷が病気の誘因や悪化因子となっている場合が多いのです。
心臓には不整脈だけしか病気がなくても、降圧すれば不整脈にも良い効果が得られるはずです。少なくとも心臓に悪いはずがありません。
実際に当院では、降圧治療だけで期外収縮が改善した例を経験しました。
病気で弱った心臓を大切にいたわるなら、比較的簡単でありながら最も効果的なのは正常血圧以下まで「十分に」血圧を下げておくこと(十分な降圧治療)と理解して頂けたと思います。
続く・・・
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