軽い異常で心配ないことが多い
むくみには様々な原因があります。もし背景に大きな病気があるとすれば、それは心臓病、肝臓病、腎臓病、甲状腺機能低下、腹部腫瘍、婦人科腫瘍、血栓症などです。
しかし、これらの病気が原因でなるむくみはむしろ少数で、大多数はそんな重大な病気が原因ではなく、ごくありふれた異常が原因になっています。
ここではその重大な病気の原因は省略し、多くのありふれた異常によるむくみについてお話します。その病気は数が多いですが大多数は心配いりません。しかし重大な病気が原因のむくみも少数ですがなかに混じっています。
女性や高齢者の下肢に多い
むくみは女性や高齢者の下肢によく見られます。しかし女性ホルモンバランスに異常のある場合は、顔、瞼、手、脚等広く全身にむくみが見られることがあります。この場合、朝の起床時に全身がなんとなく水が増えて重いように感じるかもしれません。
若い女性と中年以後の女性とでは、むくみの原因が少し異なるようです。しかしどちらも大体は良性のむくみであまり心配する必要はないと思います。
若い男性はむくみませんが、中年以後になれば女性や高齢者と同じ理由から循環不良で下肢のむくみも出てきます。
もし若い男性にむくみがあれば病院に行って調べることが必要です。
良性のむくみの原因
若い女性では、月経周期と関連する女性ホルモンの調節異常が多くの原因となります。月経周期と関連し、同じ時期に繰り返しますので、本人もほぼ原因が分かっている場合が多いでしょう。様子を見てもよいと思います。もし月経周期と関係ない時は原因を調べる必要があります。病院を受診してください。
中年以後の女性や高齢者では、脚の末梢循環不調が原因として多くなるでしょう。特に長時間の椅子に座ったままの姿勢や立ったままの姿勢で一日中ほとんど歩かない人におこりやすくなります。
家事や仕事でそんな姿勢を長時間続ける人によく見られます。中年以後に多いですが、若くてもそのような仕事であれば同じ原因で下肢がむくむでしょう。一日中椅子に座ったまま過ごす高齢者にもよく下肢のむくみが出ます。
高齢者では特に強く出て重大な病気との区別が必要になるくらいです。長時間そのような姿勢では脚の末梢循環が悪いため、体の中で一番低い位置にある下肢に血液やリンパ液が溜まってしまうのです。
脚の末梢循環不良、女性ホルモン不順
脚の慢性末梢循環不良が原因なら、むくみは夕方に強くなり朝には消えるか軽くなっています。女性ホルモンバランスの不順が原因の時は、朝起きた時から全身がむくむことが多く動き始めると少し軽くなるでしょう。
両方とも水を多く飲んだり塩分を多く摂取するとむくみは更に強くなります。
むくみの予防
末梢の循環不良のむくみの予防は、よく歩きよく走ることです。よく歩けば下肢の血液・リンパの循環が改善しむくみは軽くなります。長時間、椅子に座ったままや立ったままではなく、可能なら仕事中でも時々、歩くことが良い予防になります。
休日にはできるだけ長く歩くかジョギングをお薦めします。むくみの解消と予防になるでしょう。