血圧測定で腕が痛い
血圧が気になって血圧計を購入し自宅で測ることにしました。機械を購入して帰宅し早速箱から取り出して解説書を読みながら血圧を測ってみました。
腕に巻きつけた布の帯(マンシェットといいます)に圧が加わりある時点で空気が抜け始め圧が下がるのですが、途中からまた加圧が始まり今度は前よりさらに強く加圧され締め付けられるようになります。
最初より強く締め付けられるので今度は腕が痛くなるのですが我慢して計測が終わるのを待ちます。終わってから巻いた帯を外すと腕には点状の赤いポツポツが出来ていることもあります。しばらくそこが痛いままです。そんな時には決まって血圧は高い値になっています。
どうして腕が痛くなる?
血圧計で測る度によくこのような事が起こります。痛くて血圧を測りたくなくなりました。どうしてこうなるのでしょうか。血圧が高いのが心配ですから毎日測りたいのですが、こんなに痛いのなら苦痛で嫌になります。この血圧計が不良品なのでしょうか、それとも自分の体がおかしいのでしょうか?
こんな疑問をお持ちの方は少なくないと思います。
原因は最初の加圧で測定した血圧が機械の予測した値より高かったので、再加圧をしています。その時は加圧のレベルは最初よりかなり高い値になりますから(機械の設計によって違いますが、再設定値は200mmHg 位でしょうか)、その強い締め付けで痛くなるのです。
本当にそんなに血圧が高いのか、それとも強い締め付けで痛いため血圧が高くなったのかは簡単ではありません。しかし高い血圧のために更に強く加圧され、血圧は結果的に本来以上に高くなったのかもしれません。
緊張で高くなった?、痛みで高くなった?
血圧を自分で測る時、測定するという緊張感だけで血圧が上がってしまう人がいます。高い血圧のため加圧が普通以上に強くなってしまうこと、加圧が強いために腕が痛くなってその痛みのために高い血圧が更に上昇しもっと強い圧が加わり、さらに痛くなるという悪循環となっています。
緊張、恐怖をなくす
この悪循環を断ち切るには、血圧を測定する時の緊張感や恐怖感をなくさなければなりません。血圧測定するというだけで緊張してしまう人には厄介な問題です。
どうすればその緊張感が消えるでしょうか。一度測定で痛い目にあってしまうと、その潜在的な不安や恐怖感で、測定に向かっただけで血圧が上がってしまう場合もあるでしょう。
その血圧測定での緊張や恐怖感が消えなければ、家庭血圧を測るたびに高い値しか出てこないかも知れません。どんなに家庭血圧を測っても本当の自分の血圧が見えてきません。
対策は血圧測定しないこと
こんなジレンマに陥っている人が時々います。そんな人であっても診察室で私が血圧を測りますと、腕の締め付けの痛みはもちろんありませんし私に測ってもらう安心感もあってか血圧はそんなに高くは上がりません。
そんな人では血圧は診察室だけで測り、しばらく自分で家庭血圧を測ることを止めるよう勧めます。血圧測定に対する緊張と恐怖感が頭から消えるまで、しばらく時間を置くのです。診察室での私の血圧だけで血圧管理します。