何を食べれば、減量にいいですか?
当院では体重減量についてその大切さを繰り返し患者さんにお話しします。患者さんもその大切さについてはよく理解して毎日減量の努力を続けていらっしゃいます。しかし大抵はそれほど簡単には減りません。→◆032 痩せるが一番! 日本人は痩せて健康な民族?
30分ほどの普通速度の散歩では体重減量効果はあまり得られません。やはり食べ物を減らすこと(減食)が体重減量には最も効果的です。食欲は生物最大の欲望ですから、これを抑えて我慢することは相当の試練となります。特に女性がこの欲望に弱く体重減量の実現がなかなかできません。→◆115 肥満(BMI>25)からの減量は、男性より女性が苦手
診察室での体重減量の話題の時、患者さん(特に女性の)から出る質問に本日のタイトルのような「何を食べれば痩せますか?」の疑問が出てきます。痩せたいが食べることを抑えるのが困難なので、せめて何を食べたら痩せられるのか、出来ればそんなものを食べたいと切実な気持ちだと思います。
痩せる薬や、痩せる食品はないと思って下さい
痩せるための薬はないといつもお話ししています。痩せる薬として普通に売られているものがあっても、恐らくあまり効果がないでしょう。もし本当に痩せる効果があるなら、それは逆に何か問題のある可能性が高いと思われます。
何故なら、本当に痩せるならそれは医薬品であって普通に市販されるようなものではないと考えます。医薬品なら痩せる薬はありますが、そんな医薬品を太っているだけで病気のない方に使うことはありません。その薬で新たな別の病気を作ってしまうでしょう。痩せるために別の新しい病気を作るなんて、そのような危険なことは決してできません。事実上簡単に痩せる薬は、現在のところありませんとお話します。そのうち出てくるかもしれませんが。
痩せるには、運動より減食が効果的
痩せる薬がない代わりに敢えて食品で痩せるものをと言えば、ほぼノンカロリーの食品が相当するでしょう。有名なのはコンニャクやトコロテンなどです。それは患者さんも知っています。しかし美味しい食品で食べて痩せられるものなどありません。私たちは患者さんに、「食べて痩せるものを探すより、意志を強く持って食べないことです」とお答えします。→◆036 安上がりの健康法 減食ダイエットで減量を
痩せる一番良い方法は、食べない事(減食)であるのは誰でも分ります。極端な例ですが、水だけ飲んで絶食すれば数日で数キログラム減量できるでしょう。しかしこんな方法は決してお勧めできません。不健康な痩せ方です。
「健康的に減量のため、減食すること」とは、現在食べている一日総摂取カロリーの10~20%減量するか、身長から標準体重(BMI 22)を計算してその体重に25Kカロリー(事務的な仕事の場合)を掛け算したカロリーにすることです。→◆076 健全な痩せ方 脂肪を減らし、筋肉・骨は増強を
この程度の減食でも辛くて困難な事です。その結果、一か月に1~2キログラムの体重減量が達成できれば成功です。そのペースを数か月間維持することです。半年間も持続できれば10キログラム程度の減量が実現できるでしょう。素晴らしい成果です。
運動は減量目的ではなく、健康維持を目的に
痩せるための運動なら毎日かなりの運動量が必要です。もちろんそれを続けられるならそれも優れた減量の方法ですが、多くの方はそれほどの強い運動を継続することは困難でしょう。健康増進の一環としてで、減量を期待しない運動なら、それほど大きな負担にはならないでしょう。運動はあまり減量を狙わずに、筋肉増強と健康のために継続して下さい。→◆037 運動療法は、運動機能アップを目標に
減食で、1~2㎏/月の減量を3か月以上
3か月間ほど減食を持続できれば、胃のサイズが小さくなりその程度の量で満腹感が得られ、それ以上多く食べられなくなります。同時にあまり食べたいと思わなくなります。過食している人ほど食べたくて仕方ないように身体がセッティングされているようです。一旦食べない習慣がつくとそれほど食べたいと思わなくなりますから、減量効果がさらに上がるようになります。約3か月間が我慢の目安だと思います。それを過ぎると減食も比較的楽になるようです。
まとめ
結局、体重減量のためには減食することが一番大切で、何かを食べてそれで痩せようとは考えないことです。そして減量は月に1~2キログラムを目安にしますが、それを数か月間継続しなければなりません。最低3か月間は頑張ってください。痩せられた時の喜びとメリットは以前お話ししました。ここもお読みください。→◆100 「痩せられた!」 成功体験者が語るメリット
以下の「特集」も参考になると思います。