要旨:今回からシリーズで便秘解消の簡単なヒントをアドバイスします。第1回は便秘で最も多い「機能性便秘」を取り上げます。機能性便秘は生活習慣のちょっとした工夫で簡単に解消できるのです。機能性便秘を避けるために「お腹の大蠕動」を上手に活用することです。毎朝の過ごし方をクローズアップします。腸は一日で何度も蠕動運動(便の絞り出し運動)をしています。しかし実際に便が出て行く排便につながる大蠕動は一日でたった1~2回しか起きません。特に朝起きた時に最大の大蠕動がおこります。この時排便するタイミングを逃しますと便秘の悪いサイクルに入ってしまいます。この朝の大蠕動を上手に活用する方法は、
多くの患者さんが悩む胃腸の病気のひとつに便秘があります。生活習慣によって解決可能な機能性便秘が多いといわれます。今回はその機能性便秘を上手に避けるために「お腹の大蠕動」を利用する方法として、朝の過ごし方にクローズアップしてみます。
朝の「お腹の大蠕動」を活用する
人間の腸は一日の中でなんども繰り返し細かく蠕動運動をしています。しかしその中でも排便につながる大きな腸の動きとされる結腸の大蠕動は一日の中でたった1~2回しか起きません。特に、朝起きた時に最も大きな大蠕動がおこります。この時に排便するタイミングを逃しますと忙しい日中に排便する機会もないまま便秘になる悪いサイクルに突入してしまいます。
若い女性は朝お化粧をしたりシャワーに入ったり、お母さんは食事の支度や子供の世話など男性よりもいろいろなことに時間がかかるために便秘になりやすいといわれています。
朝の大蠕動を活用して便秘の悪いサイクルに入るのを避ける良い方法をお話しします。
1)朝起きてすぐに、水を飲む
朝起きてすぐのまだ胃腸がからっぽの状態が最も胃腸反射が起きやすいですので、この瞬間に冷たい水をコップ一杯飲んでみましょう。この刺激によって脳から腸へ排便しろという指令が送られて胃腸反射が起こり、排便が促進されます。
2)朝食を摂る
朝ご飯を食べることで胃腸が活発に動き、朝の大蠕動が誘発されます。朝食を抜いてギリギリに学校や会社に駆け込む若い人の便秘は、まず朝ご飯を食べる習慣をつけることが非常に有効です。
3)ゆったり過ごす
便意は自律神経のうちの副交感神経というリラックスしたときに働く神経の活動によって催されます。朝時間がなくて急いでいる時にトイレに行っても、しなくてはいけないという焦った気持ちとは裏腹になかなか排便しないのはそのためです。トイレの中で新聞を読むという行為は、気持ちを落ち着けてゆっくりくつろぐという排便促進には理にかなっているかもしれません。
4)スヤスヤ眠って、優雅な朝を迎える
朝のご飯を食べて落ち着いてトイレに行き、時間に余裕をもって過ごすには、前日の夜は早めに就寝することが肝心です。生活習慣を整えるというごく小さな一歩ですがこれだけでも便秘はだいぶ改善されるのです。
次回は「便秘解消のヒント2 食べ物は何がいいか」について紹介します。 ”彩子先生監修”