以下の(A) や(B)のような場合は、症状が良性の不整脈と似たようであっても注意が必要です。
すなわち心臓病が、(A) 上室性期外収縮や心室性期外収縮ではない、(B) 期外収縮であっても軽くない、危険な期外収縮である可能性がある。この場合は放置せずに必ず専門医にかかってください。
A. 軽い不整脈ではない!
普通は良性の軽い上室性期外収縮や心室性期外収縮の症状なのですが、症状は似ていても原因が全く異なる病気の場合があります。重い心臓の不整脈である場合です。
その詳しい区別は、ここでお話しするほど簡単ではありません。もし症状が以下のような性質なら、たとえ症状の時間がそんなに長くなくても軽い不整脈ではない可能性が高くなります。そんな時は、ぜひ病院を受診し専門医の診察を受けて下さい。これは非常に大切なことです。忘れないでください。
・運動すると、数が急に増える。
・少しだが、胸が苦しかった。胸の圧迫感があった。
・しばらく息苦しかった。
・何度も繰り返しておこる。
・一瞬ではなく、5秒以上続いた。
・ふらついたり、めまいがした。
・短時間だが、意識を失った。
・体が辛かった。
・冷や汗(あぶら汗)が出た。
・顔色が悪かった。
・気分が悪く、しばらく横になった。
・気分が悪く、吐いた。
・その時に、尿や便を出したくなった、尿や便を漏らした。
・治った後も、しばらくは体調が悪かった。
B. 危険な心室性期外収縮?
ある一部の患者さんでは、軽いはずの心室性期外収縮が、致命的な病気の前兆であることがあります。このような患者さんには適切な治療を開始して,この心臓の乱れを治さないと,元気だった方が急変することになります。
心臓専門医が注意深くこの病気の患者さんに接するのは、生命に危険な不整脈がありながら一見元気そうで、それに気づいていない患者さんを見落とさないためです。
少し難しくて分かり難いですが、危険な心室性期外収縮とは,以下のような場合です。よくわからなくても、自分が何となくそれに該当するように思えば、必ず医師に相談してください。
1. 狭心症がある
狭心症のある人にそんな不整脈症状がある場合。
2. 重い心臓病(心筋梗塞、拡張型心筋症、弁膜症、心不全など)がある
心臓の筋肉の重い障害が心室性期外収縮を引き起こしている。そしてこの不整脈が単発ではなく連発している、またはその起こり方が不安定である場合等です。
しかし自分の症状からそうであるかどうか区別することは困難です。検査しないと判断できません。不整脈の症状があれば、医師に相談し積極的に検査などを受けましょう。
3. 一見健康だが、心臓病が隠れている
この場合、普段はその心臓病が隠れています。軽い不整脈症状以外には何もなく、健診などでも「異常なし」といわれることが多いようです。この隠れた心臓病の発見はかなり難しいです。しかし幸いこんな方は非常に稀です。
もし症状に、上の(A)の特徴があったり、家系に若い時(50歳代以前)に原因不明で突然亡くなった人がいるなら、心臓専門医でよく調べることをお勧めします。
続く・・・
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