けやき坂クリニック
特集シリーズ
心臓の動きが速すぎたり(頻脈)、遅すぎたり(徐脈)を特集します
どちらも危険な心臓病が隠れています
「脈の異常」 早い、遅い、飛ぶ、抜ける、止まる、弱い、強い
安静時の一分間の脈拍数は50~80回が正常です。規則正しく打つ脈に異常がでる時があります。その異常とは、脈が速い(多い)、遅い(少ない)、飛ぶ、抜ける、止まる、ない、弱い、強い等です。今日はこの脈の異常についてお話しします。・・・
「脈拍数の変化」 隠れた病気を発見する前兆
血圧を自宅で測定する習慣がある方が増えています。毎日きちんと規則正しく血圧を測って記録しておくことはご自分の健康管理に非常に役立つ良い習慣です。
特に高血圧、脳卒中、心臓病、腎臓病、脳動脈瘤や大動脈瘤がある方はとりわけ大切です。糖尿病や境界型糖尿病の方でも同じく有用です。
毎日血圧を測定している方でも、脈拍数についてはあまり注目していないようです。せっかく脈拍数も毎日記録していながらあまり注目して見ていない方が多い印象です。血圧ほどではありませんが脈拍数は心臓だけでなく身体全体の状態を知るうえでも大切な情報なのです。・・・
「速い脈(頻脈)」 どんな病気? 詳しく解説
<脈が速い(頻脈)心臓病>
想定される病気:発作性上室性頻拍症,心房細動、発作性心房細動,心房粗動、発作性心房粗動,心室頻拍,WPW症候群,ほか
患者さんへの助言:今元気でなんともないけれど、時々数十秒から数分程度の短時間の軽い症状があるという方は、心臓病であっても今緊急に対応しなければならない可能性は少ないと思います。
将来重症な脳卒中になったり、命に関わる重大な心臓病が背後に隠れている可能性もあります。症状の重症度と病気の重症度が一致しない怖さがあるのがこの病気です。必ず医師の診察を受け,胸部レントゲン写真,心電図,・・・
「脈が80以上」 長く続くなら病気か?
運動中や興奮した時の速い脈は正常です 運動している時や興奮した時に、心臓がドキドキと早く動いているのを自覚す ることは普通の事であり、病気ではありません。運動を止めたり興奮が収ま ればそのドキドキは消えてしまうものです。それは普通の健康な状態です。ただし、運動中のドキドキの程度が激しすぎる場合は別ですが・・。
平穏な安静時に、速い脈(頻脈)を”自覚すれば”問題ありです しかし、運動もしていないし、興奮しているわけでもなく、普通に静かに座っているのに、心臓がドキドキと早く動いているのが分かる時は異常 です。熱が出ているわけでもなく、体調が悪いわけでもなく、特別に気分が悪いわけでもない場合でも、異常な何かが体の中で起こっていると想像されます。
「脈が100前後」 少し速いが、これも心臓病?
今日のお話は、これまでたいした病気もなく健康で過ごしてきた人で、最近「脈が速くなることがあって気になっている」。こんなケースを想定してお話しします。
元々心臓病があり、病気の診断も確定し現在治療中の人なら参考にならないでしょう。
以下の3つのタイプを想定してお話します。
「心臓が弱ると、脈は速くなる!?」 心不全と脈
心不全についてはこれまでにいろいろな角度から何度もお話ししましたが、今日は心不全と脈拍数との関係について、皆さんに出来るだけ分かりやすく説明しようと思います。
その原因が何であれ心不全とは心臓が弱っている状態が背景にあります。その弱った心臓では体の中でどんなことが起こっているでしょうか。・・・
「ドキドキが、しばらく続く」 どんな心臓病?
症状の軽重と病気の軽重が関連しないので、最初に正しい診断が非常に大切 この心臓病で最も重要な事は、症状の軽い 重いと、病気の軽い重いが関連しない場合があることです。一見軽い症状に見えても極めて危険なもの、症状が 非常に辛くて重症のように見えても、それほどでもない不整脈といった具合です。
非常に稀ですが、症状が軽いからと甘く見ているととんでもなく、突 然死となる場合があるのがこの病気の恐ろしさです。
この病気ではどのタイプの不整脈なのか、早めに病名を確定することが最も重要なのです。
中年女性 「動悸と疲れ」が、心臓病でなく貧血だった
胸痛の多くは心臓病ではなく、神経痛か胸の筋肉痛である可能性が高いのです。しかし心臓病の狭心症や不整脈でも似たような症状となりますから、自己判断しないで、心臓専門医の診察を受けるべきです。
ベテラン専門医は、患者さんのお話を聞いて、体を一通り診察するとほぼ病気の見当がつきます。その後の検査は見当をつけた診断(病名)が正しいことを確認するための証拠固めと言っていいでしょう。その考えに沿った検査所見が次々見つかれば予想が確定します。
「遅い脈(徐脈)」 どんな病気? 詳しく解説
<気を失う心臓病>
想定される病気:洞不全症候群,房室ブロック,狭心症,大動脈弁狭窄症,閉塞性肥大型心筋症,肺高血圧症,心室頻拍,ほか
患者さんへの助言:この症状を示す原因が心臓病であれば危険です。原因が脳血管やその他の病気であったとしても,やはり検査が必要になるでしょう。いずれにせよ,その原因を調べるために医師の診察を受けてください。
心臓病が原因の、めまい・失神 めまいや失神がどんな病気によるのか、症状から簡単に診断が可能な場合もありますが,一般的には診断はそう簡単ではありません。幾つかの検査を組み合わせて、めまいや失神の病名を診断します。
心臓病以外の病気で起こる失神やめまいは最後にまとめてお話しします。
これから先は、その症状は心臓病が原因であると想定して説明します。このグループの症状は、短時間ですが次の三つのいづれかの原因によって起こります。
危険な「めまい」は、心臓病や低血圧から?
「めまい」は体のフラフラした感じを表す漠然とした言葉です。その症状を詳しく表現すると、体がふわふわする、目が回る、頭がくらくらする、目の前が暗くなる、気が遠くなる、周囲がぐるぐる回る、体が揺れる、頭がボーッとする、よろける、ふらつく等、非常に多彩です。めまいの原因は1)耳の異常、2)脳・神経の異常、3)全身の血液循環異常の三種類です。
血圧や心臓病が原因の症状なら、一瞬フラーッとする等の「軽いめまい」に似た症状もありえますが、心臓病によるめまいが疑われたら非常に危険・・・
「脈が遅い。ひどく疲れる」 脈の遅い心不全?
動いた時に疲れやすい病気はたくさんあります。その中で心臓が原因の病気は比較的数は少ないと思います。
心臓病が原因で、動いて疲れやすい病気の代表は心不全です。心不全になった患者さんに分かりやすい症状が「動いた時の疲れやすさ」と「心臓がドキドキする(脈が速い)」です。
今日のお話しの心不全は、心不全なのに脈が逆に異常に遅くなっているタイプです。心不全のタイプとしては相対的に数は少ないと思いますが時々ありますので、忘れてはいけない心不全です。
脈の異常で病院受診 「始めての診察と治療」の風景
不整脈は症状が多彩で、症状と病気の軽重が一致しない時がある! 不整脈は種類が非常に多い病気です。そしてどの病 気なのかで重症度も治療も全く違います。ピンからキリまで揃っています。
症状も多彩で、病名の確定(診断)が大変難しい場合もあります。不整脈の非常 に重要な特徴は、症状の軽重と病気の軽重が一致しないことがあることです。症状が軽いので様子を見ていると致命的な結果になってしまうこともある怖い病気 です。
その病気になった時、初めて訪れた病院での診察風景を出来るだけ簡単に説明します。
不整脈の薬 意外な副作用は、「効き過ぎ」の問題
薬とは本来、有害な側面を持つもの
心臓病の薬の副作用を心配している方は随分大勢いらっしゃるようです。
一 般的に言えば、どんな薬であれ多くの薬は本質的に有害な側面を持ったものなのです。薬とは極端に言えば、「極く微量の毒をもって病を制す」ものです。
毒としての性質を上手に利用し、極く少量で病気治療に有用な薬として使うのです。もし大量に使えばどんな薬も有害になります。従って副作用のない薬はありません。
しかし皆さんが心配するような重大な副作用は滅多に起こりません。日本の医薬品は国や製薬会社で厳重に調査され管理されており、世界的に見てもかなり安全と言って良いでしょう。