けやき坂クリニック
特集シリーズ
心臓病は早期発見が非常に大切です
発見のために、前兆や初期症状を詳しく特集しました
心臓病の早期発見 「鍵となる症状」
心臓の病気を軽い早期に発見することは、その治療効果から非常に大切です。遅れれば回復が厳しくなります。時には生命の危機に直結します。
心臓の病気は分かりにくく難しいと思われています。また早期発見の「鍵となる症状」も、知らない人が多いでしょう。
今回は、この心臓の病気を簡単に分かるように整理して説明しますから、心臓病の早期発見に役立たせて下さい。
心臓病 「最悪のタイミングで発症」する!?
心臓病と脳卒中は、本格発症前に軽い「前兆」がある!
どんな病気もすべてと言うわけではありませんが、血管病の脳卒中や心臓病など生命にかかわる重大な病気の幾つかは、初期のうちに前兆の症状があることが多いように思います。
しかしその前兆の症状が軽かったり、それと気付かなかったりしますと、「こんなことくらい・・」と、重大な病気を放置してしまいます。
心臓病発症の警告信号である前兆サインを軽視したことで、結果として「最悪の時を選んで、突然に病気はやってくるのか」と思うほど、悪いタイミングで病気が 発症することになってしまうのです。・・・
「心臓発作」 夜中なら、不安と恐怖でパニック
心臓の病気は何十種類もありますが、今心臓病がない中年以後の人にとって、これから直面することになるかも知れない病気はそう多くはありません。その代表的な心臓の病気は、不整脈の期外収縮、心房細動、発作性頻拍症、それに狭心症、心筋梗塞や心臓弁膜症などです。
この病気の突然の症状出現(発作と言います)が深夜の事がよくあります。勿論日中に起こることも普通ですが、人によっては眠ってから深夜に限って発作が起こることが珍しくありません。
典型的なパターンは、床に入って眠りにつき、深夜0時~5時頃に胸の苦しい症状で目が覚めます。短ければ数秒間ですが、長い時は再び眠る時まで数時間も続きますが朝起きた時には消えています。・・・
「心臓病の早期発見」 こんな前兆症状なら病院へ(初心者用)
「この程度のことで騒ぐのは大袈裟だ。放っておけば治る」と我慢強い人なら、心臓病の早期発見は出来ないでしょう。
どの病気でもそうですが、重くなれば症状も強く激しくなりますから、誰でも大変な病気だと思って病院に行くでしょう。しかしそれでは病気は既に相当進行し、場合によっては手遅れかも知れません。
不幸にして病気になったなら、出来るだけ早く発見し健康な体に戻したいのが本心だと思います。心臓病を早期発見するつもりなら、まず慎重で注意深くなければなりません。・・・
「症状 → 心臓の病名」 全37の症状シーンから探す
胸が痛くなったり、ドキドキしたり、苦しくなったりしたことはありませんか?
心臓病は、何かしらの胸の症状をきっかけに見つかることが多い病気です。しかし自分の病名がまだ分からない”隠れ心臓病”の方には、この症状の漠然とした不安を解消する手だてはなかなかありません。
皆さんの胸の症状が「心臓病かもしれない」ことを念頭に、以下の点に配慮して心臓病のお話をします。
・症状の特徴から、可能性ある心臓病にたどり着く
・その心臓病を、少し詳しく解説する
・・・
「心臓病の初期症状」 発症直前の警告サインを見逃すな!
「自分は健康!」と過信してませんか?
自分が健康だと信じている時であっても、心臓病初期には軽い前兆とも言うべきサインが繰り返し起こって発症を警告していることが多いのです。
しかし多くの人は健康に自信がありますから、その軽い前兆症状は無視してしまいがちです。一部の注意深い方や、少し神経質かもと思っている方だけが病院を訪れて心臓病を発見し治療を開始できます。
そして軽いうちに心臓病を克服し、その後は何事もなかったかのように健康に人生を過ごしていきます。心臓病は様々ありますが、一見 健康そうに見える人で注意しなければならない良くある心臓病は・・・
「狭心症・心筋梗塞の早期発見」 静かな症状に注目!
心筋梗塞になった人に、「なる前に、何か症状はありませんでしたか?」と聞くと、「何もなかった。いきなりだった」と話す人が多いようです。
しかし、「こんな症状はありませんでしたか?」と問われれば、恐らく「あれが前兆症状だとは思わなかった。知っていれば・・」と驚き残念に思うでしょう。
症状が静かで軽すぎて、そんな重大な心臓病の初期症状だとは気付かなかったのです。・・・
「心不全の初期症状」 ありふれて、間違えやすく、治りにくい
怖い心不全の初期症状ですが、あまりに月並みで驚くほどありふれてます。特徴がありません。弱った心臓におこる最初の重大な症状なのですが、「疲れやすい、息切れ、ドキドキする」等です。
こんな症状なら別の病気でもしばしば見られますから、心不全とは考えず勘違いしてしまいます。誤解される病気は、年のせい、風邪、過労、睡眠不足やストレス等です。しかしごく一部の人には心臓病の心不全が隠れていますが、この症状から心不全と思いつくのは困難です。・・・
「心不全とは?」 たとえ話でやさしく説明
架空の小さな田舎町での生活を舞台に、その町の人々が置かれた絶体絶命の状態をお話しすることによって、心臓の役割と心不全の状態を皆さんに暗示的に理解して頂くよう寓話を創作しました。
舞台は或る田舎町です。そこに住む人々と人々の生活を支える一頭の馬を中心にこの物語は展開します。
「脈の異常」 早い、遅い、飛ぶ、抜ける、止まる、弱い、強い
安静時の一分間の脈拍数は50~80回が正常です。規則正しく打つ脈に異常がでる時があります。その異常とは、脈が速い(多い)、遅い(少ない)、飛ぶ、抜ける、止まる、ない、弱い、強い等です。今日はこの脈の異常についてお話しします。・・・
「脈拍数の変化」 隠れた病気を発見する前兆
血圧を自宅で測定する習慣がある方が増えています。毎日きちんと規則正しく血圧を測って記録しておくことはご自分の健康管理に非常に役立つ良い習慣です。
特に高血圧、脳卒中、心臓病、腎臓病、脳動脈瘤や大動脈瘤がある方はとりわけ大切です。糖尿病や境界型糖尿病の方でも同じく有用です。
毎日血圧を測定している方でも、脈拍数についてはあまり注目していないようです。せっかく脈拍数も毎日記録していながらあまり注目して見ていない方が多い印象です。血圧ほどではありませんが脈拍数は心臓だけでなく身体全体の状態を知るうえでも大切な情報なのです。・・・
「脈が100前後」 少し速いが、これでも心臓病?
今日のお話は、これまでたいした病気もなく健康で過ごしてきた人で、最近「脈が速くなることがあって気になっている」。こんなケースを想定してお話しします。
元々心臓病があり、病気の診断も確定し現在治療中の人なら参考にならないでしょう。
以下の3つのタイプを想定してお話します。・・・
「一瞬のドキン !」 不整脈?
この症状の病気は恐らく不整脈の上室性期外収縮か心室性期外収縮でしょう。
大多数は心配のない良性の心臓病です。しかし少数ですが、生命にかかわる心臓病に進展する場合もあります。そんな方は診察を受け病気を調べる必要があります。
「ドキン!」以外の症状としては「心臓がクッと詰まる」など、すべて一回で完結するのが特徴です。症状は人によって感じ方が違います。「ドキン!」 と感じる人もいれば、それ以外の症状で感じる人もいます。人によって以下のような形で現れることは珍しくありません。
しかし、どれにも共通なのは「一回完結」が特徴です。それが時間をおいて繰り返すこともよくあります。・・・
「心肥大」や「心拡大」 無症状でも心臓の病気?
「心肥大」と「心拡大」。この二つの言葉は混乱して使われているようです。この二つの言葉の意味をお話しします。
心拡大とは 心臓の「サイズが大きく」なっていることです。「心肥大」とは心臓の「筋肉が厚く」なっていることです。意味は異なります。
普通なら心臓はある適切な大きさのサイズですが、これを超えて大きい時には何がしかの心臓の病気が疑われます。この心臓のサイズが大きくなった所見「心拡大」は、通常は胸部レントゲン写真で見つかります。
心肥大とは 心臓のサイズの問題ではありません。心臓が大きくなっているわけではありません。胸部レントゲン写真ではこの心肥大は見つかり ません。もし医師から心肥大と言われたら、恐らく心電図を見ながらだと思います。心肥大は心電図で見つかることが多いからです。・・・
危険な「無症状の心房細動」 自分で発見する方法
無症状の心房細動は、将来怖ろしい結果を招くことが分かっていても、簡単で確実な初期の発見方法がない厄介な病気です。
この無症状で自分が心房細動になっていることを全く自覚していない人が意外に少なくないのです。心房細動の症状は自分が危険な状態であることを教えてくれるありがたいことです。むしろ無症状の方が無治療となり危険性が高くなるのです。
家庭血圧を毎日測り続けるなら、無症状の心房細動を見つけるチャンスは大きく増えます。・・・
「胸が痛い」は心臓病? 専門医の診断方法
「胸が痛くて、心臓が心配できました」と訴えて来院する患者さんは、当クリニックではありふれています。
もしその患者さんが全部心臓病なら、当院では心臓病の患者さんで溢れかえっていますが、実際にはそうなってはいません。「胸が痛い」と言ってくる患者さんの多数は心臓病ではないからです。
しかし、それを区別するのは、簡単なようで難しい点もたくさんあります。簡単にお話しするのはなかなか難しいのですが、その区別を大胆に簡素化してお話してみましょう。・・・
「急にドキドキ、しばらく続く」 脈が速い病気?
症状の軽重と病気の軽重が関連しないので、最初に正しい診断が非常に大切
この心臓病で最も重要な事は、症状の軽い重いと、病気の軽い重いが関連しない場合があることです。
一見軽い症状に見えても極めて危険なもの、症状が 非常に辛くて重症のように見えても、それほどでもない不整脈といった具合です。
非常に稀ですが、症状が軽いからと甘く見ているととんでもなく、突然死となる場合があるのがこの病気の恐ろしさです。
この病気ではどのタイプの不整脈なのか、早めに病名を確定することが極めて重要なのです。・・・
「動くとハーハー」 心臓が弱って心不全?
病院の役割によって、その病院の病気の種類や構成は大きく異なります。
地域の中核の大病院と違って、私たちの第一線クリニック なら、こんな症状を示す患者さんで一番多い原因は、「日頃の運動不足で、身体機能が落ちた人」でしょう。しかしこれは病気ではありません。
原因が病気なら、「高血圧」、「貧血」、「肺の病気」、「悪性腫瘍などの体力消耗疾患」、「肝臓病」、「腎臓病」、「心臓病」などの順でしょうか。
もし「心臓病」が原因なら心不全ですが、そんな患者さんはそう多くないと思います。 私たちのクリニックで心臓病の患者さんは少くないですが、心不全になってから初めて当院を受診する人は極く少数です。・・・
心不全 元気な人でも「なりやすい心臓病」は?
心不全とは、心臓の何かの病気で心臓が衰えその結果おこる全身の循環不全の状態を言います。非常に簡単に分かりやすく言えば、「心臓が衰えたためおこった基礎体力の低下」です。
心臓が弱る病気なら、全ては心不全になる可能性があります。それでは「心臓が弱る」とはどんなことでしょうか。心臓を構成する主要部品のどれに問題があっても心臓は弱ります。
自動車の重要部品の調子が悪ければ、自動車の性能がダウンするのと同じです。心臓を構成する重要部品とは、・・・
「脈が遅い、ひどく疲れる」 これも心不全?
動いた時に疲れやすい病気はたくさんあります。その中で心臓が原因の病気は比較的数は少ないと思います。
心臓病が原因で、動いて疲れやすい病気の代表は心不全です。心不全患者さんの症状は「動いた時の疲れやすさ」と「心臓がドキドキする(脈が速い)」です。
今日のお話しは、心不全なのに脈が逆に異常に遅くなっているタイプです。心不全のタイプとしては数は少ないと思いますが時々ありますので、忘れてはいけない心不全です・・・。
危険な「めまい」とは? 心臓病や低血圧から
「めまい」は体のフラフラした感じを表す漠然とした言葉です。その症状を詳しく表現すると、体がふわふわする、目が回る、頭がくらくらする、目の前が暗くなる、気が遠くなる、周囲がぐるぐる回る、体が揺れる、頭がボーッとする、よろける、ふらつく等、非常に多彩です。めまいの原因は1)耳の異常、2)脳・神経の異常、3)全身の血液循環異常の三種類です。
血圧や心臓病が原因の症状なら、一瞬フラーッとする等の「軽いめまい」に似た症状もありえますが、心臓病によるめまいが疑われたら非常に危険・・・
心臓病 「治療目標」は、薬と生活改善で徹底的な抗老化
心臓病や心不全で日常生活の注意点はという話題では、必ず減塩食、水分制限、規則正しい生活、過食を避ける、激しい運動を避ける、コレステロールを減らす、禁煙・禁酒などのお話しが並びます。
確かにこれらはどれも大切なことばかりですが、本当に大切な根本はその心臓病が起きた背景に潜むバランスの崩れた不健康な体にあります。
ほとんどの心臓病患者さんは心臓の病気だけに注目しこの全身的な病的アンバランスの問題に気付きません。心臓病を治すのであれば全身から健全な体に回復させていくことが大切なことです。・・・
「心電図異常」 無症状でも心臓の病気?
検診やドックを受けた時、心電図異常が指摘されることが良くあります。
報告書の心電図の異常所見を読んでも何のことかほとんどわからないでしょう。この後で医師に相談するでしょうが、その前に予備知識として少しは知っていた方が良いと思う方はここをお読みください。
代表的な心電図異常について簡単な病気の解説をしました。・・・
「ミクロの宅配便」流通トラブル 現代心臓病の主原因
体の循環系は、宅配便の流通システムと酷似する
まず体の循環器系の正常な働きを、宅配便システムに置き換えて解説してみます。
全国(全身)の各家庭(細胞)は、道路(血管)を走る宅配便トラック(血液)から、食料などの生活必需物資(酸素や栄養素など)を受け取り、代わり に各家庭の生活ゴミ(二酸化炭素や細胞内で作られた老廃物)をトラックに渡します。
ゴミの一部は腎臓で尿として捨てられます。別のゴミは肝臓で化学処理され別の無害な物質に変換されて胆汁(黄色:これが便の色です)として便に捨てます。・・・
心臓病の自己診断は、リスクあり危険
当院のような小さなクリニックでも心臓病を心配して来院する患者さんは少なくないです。しかし、本当の心臓病で治療が必要な方は意外に少ないのが現実です。だから「心臓病かも?と疑っても病院に行かなくてもいい」と考えてはいけません。
病気の初期なら専門医でも診断は難しく、患者さんが自己診断するのはまず無理です。癌と同じく、もし判断ミスすれば取り返しがつかないことも心臓病の恐ろしさです。
危険な病気である確率は高くないですが、症状だけで自己診断は自分の生命を賭けるギャンブル性があります。たとえ心臓病を十分に自己学習したとしても「生兵法は大怪我の基」と言います。・・・