要旨:当院で処方する多くの薬、主に心臓病、高血圧、コレステロール等の薬はほとんどが”食後”指定です。しかし食事をしない時でもその時間には全部飲んで下さい。特に心臓病と高血圧の薬は、たとえその日は一日中全く食事を取らなくても、決まった回数をきちんと内服する必要があります。そうすることによって24時間薬が体を守ってくれます。”食後”という言葉にこだわらないでください。”食後”は薬を飲むタイミングの目安として便宜的に決めてあるだけです。食前でも、食中でも、食後でも、食事なしでもその時間であれば気にせず飲んで下さい。
薬の内服は、「食後」指定が多い
確かに多くの内服薬は”食後”にと指定されていると思います。当クリニックの患者さんはほとんどの方が薬を指定通りにキチンと守って飲んでおられます。その患者さんから時に「今日は朝の食事をしなかったので、朝の薬は飲みませんでした」とお話しを聞くことがあります。
”食後”に薬を飲む習慣はいつの時代に出来上がったのかよく知りませんが、日本では古くからの習慣で薬は”食後”に内服となっています。確かに普通なら一日3回は規則的に食事をしますので、そのタイミングを利用すれば薬の飲み忘れがなく便利です。
多くの薬では、「食後」に特別な意味はあまりない
昔は苦い薬なども多かったでしょうから、薬で胃を荒らさな いように”食後”に内服と考えた生活の知恵だったのかもしれません。しかし現代では薬を内服する時間と食事の関係で、”食後”に特別な医学的意味があるわけではありません。”食後”なら薬を飲み忘れない便利さと国民的な長い伝統的な薬の内服習慣をそのまま利用しているのでしょう。
胃腸薬、糖尿病などでは食事と関係がある
胃腸関連の病気は食事との関係が深いですから、食事をしない時には内服しなくてよいものも一部あります。また糖尿病の薬も食事との関連が密接ですので、”食後”と書かれているなら食事しない時は、特別の指示がなければ飲まない方が良いでしょう。
「食前」で飲み忘れた時は、医師の指示通りに
”食前”と指定された薬の方がむしろ飲み方にいろいろ制約が多いでしょう。飲み忘れて食事をしてしまったらどうするか、主治医に良く聞いておいてください。食事の何分前が良いのかにも注意する必要があるでしょう。
心臓病、高血圧の「食後」は、飲む時間の目安
しかし、当院で処方する多くの薬、主に心臓病、高血圧、コレステロール等の薬ほとんどが”食後”指定です。たとえ食事をしない時でもその時間には飲んで頂きます。特に心臓病と高血圧の薬は、たとえその日は一日全く食事を取らなくても、その日の決まった回数を内服する必要があります。そうすることによって24時間薬が体を守ってくれます。
”食後”という言葉にあまりこだわらないでください。この”食後”は薬を飲むタイミングの目安として便宜的にお勧めしてるだけです。”食前”でも、”食中”でも、”食後”でも、”食事なし”でもその時間であれば飲んで下さい。
抗生剤は、時間おきに飲むと良い
一方、感染症の治療で使われる抗生物質は,細菌を殺すために血液中の薬剤濃度が大切ですから,時間毎で内服すると良いでしょう.一日に2回なら12時間毎に,一日に3回なら8時間毎に,一日に4回なら6時間毎にと食事とは無関係に出来るだけ指定された時間毎に服用した方がよいでしょう。
★注意
患者さんの背景に違いもありますから、当院以外の患者さんは主治医に確認ください。