風邪とは
体調がすぐれない時に「風邪だろう」とみなさん気楽によく言いますが、本当にそれは風邪なのでしょうか。
風邪にはいろんな解釈がありますが、医学的には急性の上気道の感染症全体をさします。より広い意味で細菌やウイルスによる感染症であれば、どこがその感染場所であろうと全て風邪と言う人もいますので、急性腸炎の下痢までも風邪という人もいるようです。しかしこの解釈は医学的には間違っているので注意します。
急性の上気道の感染症とは、くしゃみ、はなみず、ノドの痛み、咳、痰(タン)、頭痛、ダルさ、発熱などの症状が中心です。
風邪になるかどうかは、自分の体力と細菌やウイルスの強さとの力関係(自分と敵との力関係)で決まります。
軽いから重症まで非常に幅広いのが特徴です。みなさんから見て重症かどうかの判断のポイントは発熱の程度と全身状態です。
風邪でなければ?
風邪と似たような症状であっても風邪でないことがありますから注意が必要です。その区別は簡単ではありません。病院で詳しい検査をしなければ判断できません。
普通の風邪でなければ一般的には治りが悪く長引くでしょう。なかなか治らなかったり、ますます悪くなっていったり、一度治ってもまた再発したりするでしょう。
早期発見・早期治療が大切
一般的に病気を早く治す方法は「早期に適切な治療を開始する」ことに尽きます。早期発見・早期治療が大切です。
病気は早く治療すればするほど治りは早いですが、逆に治療開始が遅ければ遅いほど治りにくく重症化するものです。
症状が出たらなるべく早く病院を受診するのが原則ですが、事情でどうしても無理な場合、「軽い風邪なら風邪薬を飲んで3日まで」と考えてもいいかも知れません。風邪と思って自己治療しても3日目でダメなら諦めて病院にかかることです。
重症とは?
ただし重症の時はこの原則はあてはまりません。重症とはみなさんから見て「普通と何か違う、なんだかおかしい、不安になる」と思えば重症だと判断して下さい。
「高熱」、「だるさが強い」、「ほとんど食べられない」、「動けない」、「意識がおかしい」、「息苦しい」、「痛みが強い」、「下痢がひどい」等も重症の症状です。しかし病院へ行き検査したら重症ではなかった。それなら運が良かったと考えてください。